記事: 動物愛護の第一歩に「自分の力を知ること」が大切な理由【インタビュー】
動物愛護の第一歩に「自分の力を知ること」が大切な理由【インタビュー】
(2024年3月1日追記)
オレフィーチェ チャリティープログラム対象商品※につきまして、1,062,000円分のご購入をいただきました。
店頭での募金と合わせて、総額【1,066,476円】を公益社団法人アニマル・ドネーションと令和6年能登半島地震に係る災害義援金に寄付いたします。
皆様のご協力に心よりお礼申し上げます。
振込手続きが完了いたしましたら改めてご報告をさせていただきます。
※チャリティプログラム対象商品:「パータ」ネックレス・「マーニ」ネックレス・肉球プリントジュエリーBOX
Orefice charity program
オレフィーチェがチャリティープログラムを行うにあたり、大切なのはお金を集めることだけではなく、寄付金がどのような人たちに届きどのように使われるのかを知り、伝えることであると思いました。
そこで今回は、公益社団法人アニマル・ドネーション様のご紹介のもと、NPO法人 動物愛護団体 LYSTA様に活動内容や保護活動への想いをオンラインインタビューにてお話をお伺いしました。
※オレフィーチェからの寄付金は、アニマル・ドネーション様の運営費用とLYSTA様を含む全認定団体の運営費用に使用されます。
今回インタビューにご協力いただいたのは…
代表理事 鈴木理絵さん |
「不幸な命を増やしたくない」「居場所のない犬猫を救いたい」という想いから、「LYSTAシェルター」と「里親募集型保護猫ふれあいサロンOhana」を運営し、常時約150頭の犬猫を保護されています。また、活動資金を捻出するために保護猫カフェとペットホテル&ペットシッターも運営されています。
さいとう:
本日は貴重なお時間いただきありがとうございます。オレフィーチェのさいとうと申します。
エミィ:
エミィと申します。
私は、プライベートでも(動物愛護団体に)寄付やお手伝いをしているということもあり、LYSTA様の活動に非常に興味を持ちましたので、ぜひ鈴木様とお話をさせていただきたいと思い、参加させていただくことになりました。本日お話をお伺い出来ること、とても嬉しく思っております。よろしくお願いいたします。
早速ですが、ボランティア活動を始めたきっかけを教えてください。
鈴木さん:
(きっかけとなったのは)2009年頃ですね。
その頃の私は猫を飼ったことがなかったんです。犬は中学生の時に1匹だけ飼ったことがあるんですけど。
そんな時に、川で子猫が4匹捨てられてるのを見つけてしまって。どうしたらいいものか悩んだのですが、とりあえず車に乗せました。
その時は安易な考えで、「動物病院で引き取ってくれないかな」と思って、動物病院に連れていったんですけど…。
動物病院には「子猫をなんとかしてくれ」っていう相談が頻繁にあるみたいで、「引き取れない」と言われました。
今となれば、それは当たり前だと思うんです。でも、その時はどうしたらいいかわからなくて。
だったら、せめて川ではなく人目に付きやすい公園とかに置いてきた方がまだ良いのかなと思ったりしたんですけど…でも、なんだかそれもできなくて。
うちの母親にどうしようって話をしたら、「連れてきたらいいじゃん」って言ってくれたんですよ。
なので、うちでしばらく保護してから里親さんを探したんです。
それが、保護犬とか保護猫に関わる最初のきっかけでした。
その時は猫のお世話の仕方もわからなくて、猫に何が必要なのかも知らなかったんです。里親募集をどうやればいいのかとかも。
当時はmixiが流行っていたので、掲示板で色々と聞いて教えてもらって(お世話を)していたんですけど、その時に知り合った人が、保健所に収容されてる猫の引き取りをする会を立ち上げようと思っているという話を聞いて、一緒にやらないかと誘われたんです。
その後、一時預かり※みたいなことを始めて、子猫の里親さんを探すことをきっかけに保健所の殺処分の問題も初めて知りました。
※猫を里親に譲渡するまでの間、一時的に保護する場所を提供し、譲渡までに必要なお世話をすること
仕事をしながらできる範囲で、1匹、2匹ぐらいだったら動物病院に連れていったり、里親さんを探す間に預かったりすることは出来るかなと思って始めたことだったんです。
さいとう:
LYSTA様のホームページにて、「継続できる殺処分ゼロのスタートラインに立つことを目標としている」というのを拝読いたしました。具体的には、どういったことが達成されたらそのスタートラインに立ったと言えると思われますか。
鈴木さん:
まずは、繁殖制限が一番大事だと思っています。
やっぱり全国的に殺処分されてるのが子猫なので、 その子猫を産ませないこと。
あとは、例えば迷子になった犬がそのまま探してもらえずに、(飼い主さんが)名乗り出なかったりすることが多いので。
飽きちゃったり、お世話が大変だからどうでもよくなっちゃったりする飼い主さんも少なくないです。
なので、繁殖制限と、飼うのであれば最後まで大切に飼うのが必要になります。
いわき市の場合だと、子猫や多頭がいっぺんに持ち込まれてしまった子が処分になりやすいので、そういう子たちの受け皿になれるようにしています。
ちなみに、何年か前から保健所では(犬猫の)引き取り拒否をできるようになったんですよ。
なので、殺処分される頭数は少し減ってるんですけど…でもそれじゃ意味がなくて。
保健所に持ち込もうとした人がその後に別の場所に捨ててしまうこともあるので。
それは本当の意味での殺処分ゼロではないと思っています。
なので、猫に関しては1人1人がちゃんと少ない頭数のうちに不妊去勢手術をして、「増やさない」というのが一番大切になっています。
エミィ:
私はプライベートでハンドメイドジュエリーを作っていて、その売り上げの一部を寄付したり毎年チャリティーイベントを行っています。その取り組みに賛同してくださったお客様の中にも、現状を知らない方が意外と多いことに驚きました。
(ペットを)「可愛い」という気持ちだけで気軽に迎えてしまって、最後までお世話が出来なくなってしまう人がどれだけいるかとか、その犬猫たちがその後どういう風になってしまうのかとか。知らない方が多いんですよね。
知らないことで、更に悪循環が起こってしまうのを実感したので、鈴木様のように経験をもとにしっかりと活動をされていることは素晴らしいと思いました。
鈴木様は猫カフェやペットシッターなど、様々な取り組みをされていますが、ボランティア活動の中で特に大切に考えていることがあればぜひ教えていただきたいです。
鈴木さん:
「自分の力を知ること」というか、「自分がどこまでだったらできるのか」っていうところが、1番の軸になるところです。
どうしてそれが大事かというと、(犬猫を)過剰に保護してしまっても、かえってその子たちを不幸にしてしまう可能性があるからです。
LYSTAの場合だと、ゲージに入れっぱなしの飼育方法は取らず、その子たちの行動の自由を確保しています。
あとは、食べ物の質だったり健康だったりとか、そういうところに関してクオリティを下げたくないので。
それを維持していくためには、自分にできることは120%やるんですけど、それ以上は超えちゃいけないと思っていて…。
時と場合にはよりますが、「自分たちの力を知る」っていうのが、軸になっているところかなと思います。
エミィ:
とても大切なことだと思います。
今、LYSTA様では何人ぐらいの方がお手伝いをされているんですか。
鈴木さん:
LYSTAはスタッフが8名です。正社員の子とパートさんがいます。
(犬猫が)150匹ぐらいいて、有志のボランティアさんだけで運営していくのは不可能なのでスタッフを雇っています。
スタッフは8人ですが、ボランティアさんたちが多分30人くらい交替で来てくれていると思います。
エミィ:
ボランティアの人数は足りているのでしょうか。
今後、人数を増やしていくことは考えてらっしゃいますか。
鈴木さん:
そうですね。ボランティアさんの人数は多いに越したことはないです。
ただ…やっぱり合う合わないもありますよね。あとは、無理してしまうと続かなくなっちゃったり。
なので、ボランティアさんたちも「自分の力を知る」というか、出来ることを出来る範囲でやってもらいたいです。
例えば週1回でも長く続けてもらえるといいなと思っています。
なので、今は単発のボランティアさんではなく、継続して参加する意思のある方に限って募集させてもらっているんです。
エミィ:
ありがとうございます。
ボランティア活動をしたくても、様々な事情ですぐには行動に移せない方も多いと思います。もし私たちに今すぐできることがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
鈴木さん:
やっぱり、運営資金が1番大変なことなんですよね。
LYSTAの場合だと、借金して、リフォームして、今の施設に引っ越してきたので、その返済費用だったりとか…。
今の時期は暖房を付けるので、高熱費なども本当にピークな時期だったりするので…お金の面は常に苦労しています。
それに、関東地方で活動されている動物愛護団体は、活動を支援してくれる人たちの数が田舎とは全然違うんですよね。
田舎で活動している団体は、本当に支援者さんが少ないんです。
でも、田舎の方が問題が多かったりするので…。地域猫活動※も関東地域ほど知られていないですし。
動物愛護の活動に興味がある人の分母が違うので、田舎ゆえの問題点を感じてます。
※飼い主のいない猫による糞尿や鳴き声などの問題を地域の環境問題として捉え、不妊去勢手術や餌やり、トイレの管理などを行う活動
ーここで、鈴木様が施設の中をカメラ越しに案内してくださいました。
たくさんの猫ちゃんが、明るく綺麗なお部屋でのんびりと過ごしていました。
バルコニーにも自由に出入りして日向ぼっこが出来るようになっており、猫ちゃんの幸せを第一に考えられていることが伝わってきました。
▼バルコニーには天井まで隙間なく落下防止の柵がかけられているので安心安全
LYSTA様の施設は、もともとは介護施設だった建物をリフォームして現在の形にされたとのこと。
個室が複数あり、一匹でいるのが好きな猫ちゃんは別室でお昼寝していたりなど、猫ちゃんにとってストレスフリーな環境だと思いました。
▼こちらのちゃちゃ丸くんは一人で過ごすのが好きな猫ちゃん
エミィ:
今日は、貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。
最後に、現在の鈴木様が課題としてお考えのことがあれば教えていただきたいです。
そして、鈴木様から伝えたいことがあれば教えてください。
鈴木さん:
そうですね。やはりもっと多くの方に「知ってもらいたい」です。お金の面などだけではなくて、里親の制度だったりとかも。
知ることで、犬猫を迎える時にペットショップで買う以外の選択肢を持つことにも繋がると思います。
あとは、LYSTAだけの問題ではないですが、やっぱり田舎ゆえの苦しさがあるということも知っていただきたいなとは思うんです。
でも、そこに注力しすぎてしまうと本来自分がやりたい目の前のことがおろそかになっちゃったりするので。やっぱり、私は現場優先でいたいので。
「知ってもらう」ということに関しては、周りの人たちにもお力添えいただきたいと思っています。
エミィ:
本日鈴木様にお話いただいた活動の大変さや素晴らしさ、そして動物の命の尊さは、私たちもぜひ多くの方に知っていただきたいです。
こういった活動は、一度きりではなく継続して支えていくことが大切だと考えています。
微力ですが、今後も私たちができることを考えながら行動していきたいと思います。
エミィ/さいとう:
本日は本当にありがとうございました。